抜糸は術後ちょうど一週間後。その日やや早めにクリニックに行くと、Daniela先生はご不在。受付の椅子で5分ほど待っていると、廊下からコツコツコツとハイヒールと思われる音が近寄ってきました。そして入口で私の顔を見るやいなや、 「日曜日(昨日のこと)ゴルフに行ったんですって!?」といきなりのごあいさつ。 「えっ?なんで知ってるんですか?」と言いつつ、そう言えば日曜日に父上のIさんに会ったことを思いだし、”この父娘は一緒に住んでいるのだろうか?”なんて考えたりしていると、 「大丈夫でしたか?まだ抜糸してないんですよ」 「全然問題ないですよ」 「ちゃんと日焼け止めを塗って、サングラスしてましたね?」 「はい、もちろんです」 「では、ここにあごを乗せて」と、目の検査をするような装置に顔を固定すると、先生はレンズを通して目を見ながら「目をしめて」あの・・目の場合は”とじて”って言うんですけど、という言葉を飲み込んで、目をしめるとは決して言わないけど、蓋はしめるもとじるもどちらも使うし、戸の場合は普通しめるか。普段どうやって使い分けているんだろう?なんて考えてしまいました。 抜糸は、また部分麻酔をして糸を抜くんだろうかと予想していましたが、麻酔無しで毛抜きのようなもので数本引き抜くだけでした。抜いた糸を見ると、髪の毛の数分の一ほどの細さですから、抜くときはチクッと感じますが、痛いということはありません。 これで晴れて普通の生活に戻れます。ただ、一か月ほどは日焼け止めを塗って、日中はサングラスをかけることにはなりますが。
その後、今回の手術のきっかけとなったゴルフコンペ祝勝会に参加した人は皆興味があったようで、私の後に2人も手術を決めたそうです。一人は70歳、もう一人は60歳の方です。しかも60歳の方は、奥さんと一緒にクリニックを訪れ、夫婦2人で施術することにしたそうです。確かに15万円以上もかけて、自分だけ若く見えるようになったのでは問題が生じないとも限りません。しかもその人は私のBefore,Afterの写真を見せてもらって、いたく感心し即決心したとか。とにかくIさんの”身をもっての宣伝”効果は絶大で、この先さらに手術希望者が出てくるだろうと思われます。なにせ若さをお金で買えるんですから。
いまは術後3週間ほどが経過し、切った部分もほぼ他の部分と同じ色になり、もう何もしなくても大丈夫と思われます。 「Iさんは手術後とっくに一か月以上経ってますけど、まだサングラスしてますよ」 「あの人(父親のこと)は真面目だから私のアドバイス以上に慎重なんですよ」 「それは私が言われたことを守らない、ということを言いたいんですか?」というと、”はっはっはっ!”というお馴染みの馬鹿笑いが出て、私の言ったことが通じたのか通じなかったのか・・・
ちなみに手術の時に突然現れた男性の先生は、Daniela先生の元旦那ということで、別れても仕事はパートナーとして協力しているそうです。そしてお住まいは、Iさん(お父さん)のすぐ近くで、妹さん(歯科医)もすぐ近くにお住まいだそうです。優秀な娘さん2人の近くで、Danielaさんには2人のお子様もいて、Iさんとても幸せな老後(現在74歳)をお過ごしの事と思います。

