ONODA  一万夜を超えて

今からおよそ50年前の1974年、フィリピンのルバング島で発見された元日本軍少尉小野田寛郎さんのことを知っているのは、60代以上の人だろうか。                     ONODA 一万夜を超えて、は小野田さんの軍隊入隊からルバング島で発見され帰還するまでを描いた映画で、日本では10月上旬の公開予定だそうですが、SPでは既に公開されています。以前SPで初めて見た映画、スターウォーズもなぜか日本に先駆けての公開でした。SPで映画を見るのは今回がたったの2度目。ほとんどが英語かポル語ですから仕方無しというところですが、今回のONODAは日本語ですから問題なし。映画館は自宅から歩いてわずか3分ほどのところにある劇場でやっておりました。          この作品はフランス、ドイツ、イタリア、ベルギーと日本の共同制作で、監督はフランス人アルチュール・アラリという人で、原作はベルナール・サンドロンと言う人だそうです。小野田さんを描いた映画が、なぜそんな多くの国の共同制作なのか疑問も沸きますし、監督も原作者もフランス人というのも良く分かりません。実際にあったことですから、まあ史実に則っているとは思いますが、大河ドラマのようにかなり”創作”も入っているのではないでしょうか。ちなみにWekipediaで小野田寛郎さんを検索してみると、いろいろ意外なことも書かれていて興味深いです。 たとえば彼は終戦は分かっていたけれど、地元民の報復を恐れて出て来なかっただけ、すなわち軍の命令を絶対として頑張っていたわけでは無い、といった批判もありました。それだけ現地人を殺したり、迷惑をかけたということでしょう。

*ブラジルでの予告編版。
*小野田さんの後半。(若い頃と役者が別です)
*小野田さんの入隊前(若いころ)。父から”捕虜になったら潔く自決せよ”と短刀を渡される場面。Wikipediaによると同じ趣旨で母親が渡したそうです。ちなみに母親は教師であったそうです。

この映画は2021年カンヌ映画祭特別部門のオープニング作品にも選ばれているそうです。映画自体は見ごたえのある作品とは思いますが、果たして何を描きたかったのだろうか?と考えると良く分からないところもあります。少なくともブラジルでは理解されないというかたぶん受けないだろうと思われます。事実その日の観客は日系人と思われる人が10人ぐらいとブラジル人と思われる人が数人いただけでした。でもブラジルには日系人も200万人もいるわけだから、それなりの興行収入になるのだろうか。 

ところで日本にもシニア料金というのがありますが、ブラジルでは60歳以上は半額で、わずか18レアル(約400円)ほど。ネットでチケットを買った時、「年齢を証明するものも持参のこと」という注意書きがあったのを忘れてしまい、映画館に着いてから気が付き慌てて家に取りに帰ったのですが、結局提示は要求されず。係員が確認するのを忘れたのか、明らかに60歳以上に見えたのか。残念ながらきっと後者でありましょう。                                     

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