干物に再挑戦

刺身も良いですが、私はどちらかというと生ものより干物の方が好みです。しかしサンパウロでは魚の干物はまず見かけません。自分で作ろうと思えばできないことはないですが、そうまでしなくても一時帰国の折日本で食べれば、あるいは日本で買ってきて冷凍しておくことでまあまあ満足しておりました。これまでは年に3回ほど日本に帰るチャンスがあったので、それでも良かったのですが、このコロナ騒ぎで日本に一時帰国できる見込みがまったく立たなくなってしまい、干物のような日本でしか手に入らない物となると自分で作る他ありません。         インド在住のある友人などは、酒は必要不可欠の食材とはみなされないということでしょうか、酒屋が閉まって買えなくなってしまい自分で酒を造ろうとしています。そういえば昔、サウジアラビアのある大学に派遣されている先生(日本人)も、オレンジジュースにイースト菌を使って自分で酒を造っている、なんて話をしてくれました。”どうでしたか?” と聞くと、”確かに酒らしきものは出来たけど、なんで自分はこんなことまでしてるんだろうか?” ととても侘しい気持ちになったとか。分かるような気がします。

前置きが長くなりましたが、今回は干物の製作に再挑戦です(インドでも作ったことあり)。蠅などがたからないようにネットで囲まれた干物製作専用の籠も日本には売っているでしょうが、そんな物がこちらにあるはずもなく、あるものを工夫して間に合わせます。                            肝心の材料ですが、イワシが売っていることは知っていましたが、他にも干物に向いていそうなものはないかとフェイラの魚屋をよーく見てみると、尾びれの近くにゼイゴがある鯵らしき魚を発見しました。名前は”Carapau”。鯵にしてはちょっと大きい(上下に長い)ような気もしましたが、もしかしてシマアジかも。間違ってもいいやと思い、一匹だけ 頭とワタを抜いてもらって2枚におろしてもらいました。一匹10レアル(200円ほど)。 家に帰って辞書で調べてみると鯵と出てきました。なんだ鯵が売ってたんだ・・・鯵があれば何の問題もなし。

*Carapauとは鯵のことでした。今になって冷静にみると新鮮さに欠けるように見えます。輸入ものでしかも他の市場で売れ残ったものかも知れません。そもそもなぜか写真がセピア色になってしまいました。

家に帰り、塩して干したのですが、その日はあいにく曇り。天日で干す方法と日陰で(または夜、あるいは冷蔵庫のなかでも)干す方法があるということですので、どちらでも良いとは思うのですが、その日は選択肢なく日陰干し。曇り空の下7時間ほど干して、早速その日の夜に試食してみました。             オーブントースターの中で焼ける様子を見ていると、腹のあたりには染み出した油も焼けて、鯵の干物を焼いている雰囲気十分。期待は膨らみます。       さてお味の方は?うーん・・・鯵の干物には違いないのですが、身が締まってないというか、味と食感がいまいち。新鮮な鯵に見られる、結晶のように、あるいは年輪のように身がきれいにほぐれず、お箸でどこからでも分けられるような。この感覚分かってもらえるでしょうか。若干身の組織が壊れているような感じです。やや新鮮さに欠けるか。やはり鯵はブラジル近海では獲れず、どこからか輸入して時間が経ってしまったのかもしれません。

*近所のダイソーで買った2段式のラックの上の部分を利用。200円の値札がそのまま付いていましが、こちらでは400円ぐらいでした。ベランダで洗濯物の脇に載せて日陰干し。3倍くらいしても普通ですが、このところのレアル安の関係で2倍くらいです。
*虫除けネットは洗濯用のもの。こちらもダイソーで160円ほど。時々観察してみたところ、15階のせいか蠅などがたかる様子はなし。
*焼きあがったところ。見たところはOKなんですけど、期待が大きすぎたせいもあって、味にはややがっかり。

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