北の国から

サンパウロでの「籠の鳥」にとっての楽しみと言えば、Youtubeも含めてTVと限られた数の本を読むぐらい。ネットサーフィンなんてのも可能ですが、私はその楽しみ方を知りません。                            このブログでも何度か紹介した便利な「TV Box」では、タダでWowwowを含めてほぼすべての番組が見れます。その中の一つに「日本映画専門チャンネル」(BS255チャンネル)というのがあって、その日は土曜日で、たまたま朝の10:00から(日本は22:00)「北の国から―第15話」がやってました。       「北の国から」は、20年以上も昔、私の姉がビデオで全巻持っていたので、借りて一気に見たことがあります。その頃はDVDなんてなくて、今は懐かしいVHS方式のカセットテープで、全24巻ですから結構な荷物だったのを覚えています。    よってストーリーは知っていたのですが、さすが国民的ドラマと言われるだけあって、見始めるとついつい引き込まれてしまいました。特に15話の最後では、大友柳太郎演じる笠松老人が、その日の朝、(たぶん歳をとって農耕には使えなくなった)自分の馬を売ってしまい、その夜酔っ払いながら黒板五郎の家にやってきて、独り言のように馬への思いを語ります。そのセリフと語り口は名場面で、涙なしには見れません。そして、円熟の大友柳太郎の名演技はさすがです。       その日は雨で、五郎は家に入ってきた笠松老人に、 ”自転車で来たんかい?” と聞くと、”馬はもういねえからな。今頃もう肉になってるだろ” と力なく答え、誰に向かって話す風でもなくぼそぼそと語り始めます。

「今朝、早く業者がつれに来るってンで、ゆんべ御馳走食わしてやったンだ。
 そしたらあの野郎、察したらしい。                     今朝トラックが来て、馬小屋から引き出したら、 入り口で急に動かなくなって、
おれの肩に、首をこう、 幾度も幾度もこすりつけやがった。          見たらな、涙を流してやがんのよ。こんな大粒の。こんな涙をな。

18年間オラといっしょに、それこそ苦労さして、用がなくなって。
オラにいわせりゃ女房みたいなあいつを。                   それからふいにあの野郎、 自分からポコポコ歩いてふみ板踏んで、トラックの荷台にあがってったもンだ。

 あいつだけがオラと、苦労をともにした。
 あいつがオラに何いいたかったか。
 信じていたオラに、何いいたかったか。」

愚問ですが、馬って涙を流すものなのでしょうか。どうも本当にあった話を描いているような気がして仕方ありません。

*大友柳太郎。昔は時代劇の俳優として活躍したようです。

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