中国の習近平国家主席の長期政権と国力(軍事力)の増大により、今や”台湾有事”は時間の問題になってきた感があります。 ロシアのウクライナ軍事進攻同様、とても許されない行為のように思われますが、私は歴史的に見て中国の言い分、すなわち”これは内政問題である”というのももっともだと考えています。台湾が元々中国の一部であったことは誰しも認めることでしょうし、それが日清戦争後日本に取られ、その後共産党に追われた蒋介石の国民党に支配され、現在も独立国ではなく、主要国と正式な国交のない中途半端な”地域”になっています。 ちょうどマレーシアで政権闘争で敗れた一派がシンガポール島に渡ってシンガポール国を作った歴史にちょっと似ています。しかし、シンガポールは独立していますので、台湾とは違います。台湾も中国が弱小の頃独立してしまえば良かったのでしょうが、その頃は逆に”今はたまたま台湾に引いたものの、本来中国全部我々(国民党)のもの”という意識だったでしょうから、台湾独立なんて選択肢は無かったに違いありません。 それがあれよあれよという間に中国が力を付けてきて、主要国は台湾を切り捨てて、中国と正式な国交を結び、台湾は中国でもない、また独立国でもない、といったこの世に存在するような、しないような国になってしまったのです。
問題は、もし有事の際にはどのようなことになるのか?米国が助けてくれるのか?その時の日本はどうなるのか? バイデン大統領は「有事の際は台湾を助ける」と明言しているようですが、現実的には米国は本気で助けてくれるとは思えません。ウクライナのように武器は供与するかも知れませんが、自ら台湾を守るために戦うというのは考えにくいのではないでしょうか。そもそも世論が許さないでしょう。 「なんで安保条約を結んでも居ない国(地域)の為に米国人が血を流さねばならないのだ」となって、台湾は自分たちだけで戦わざるを得ない。そもそも自ら中華人民共和国を正式な中国と認めているのだから、台湾を守る大義名分が立ちません。 中国も間違いなく勝てるという勝算を得てから始めるでしょうから、あっけなく台湾は統一されてしまうかも知れません。台湾が犠牲になれば(中国になれば)事は収まるので、米国が本気で助けてくれないと判明した時点で、台湾も抵抗を辞めてしまうかも知れません。台湾人の中にも中国の一部になった方がメリットが大きい人も少なからずいるでしょうし、台湾国内の世論も割れて、徹底抗戦とはなりにくいような気がします。いっそ戦わずして台湾が中国に編入というのがもっとも平和な解決法と思われます。 それは台湾政権にとっては耐え難くとも、台湾国民にとってはその方が良いかも知れません。仮に中国になったとて、死ぬよりはマシです。共産党政権に支配されるのは面白くはないでしょうが、北朝鮮と韓国の関係とは違って、経済的には現在あまり差はないのではないでしょうか? そもそもなんと言っても元は中国なんだし、中共と国民党の戦いがようやく決着したということ、すなわち国内問題ということです。
もし仮に米国が本気で参戦するとなったら大変です。集団的自衛権により日本も参加しなければなりません。この平和な日本が戦争に参加するというのは現時点では考えにくいのですが、ありうる事態です。でもどちらも全面戦争は避けたいでしょうから可能性は高くはないとは思いますが。