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蚊ほどうるさきものはなし

アパートは15階ですので、蚊などの虫が上がってくることはまず無いと考え、昼間は窓を開けて空気を入れ替えるようにしています。                  しかし、夏になったせいかある日の夜半、眠りが浅くなったころに”ブーーン”と蚊が飛ぶ音で目が覚めました。思わず耳のあたりを手でたたいて蚊を捕えようとしましたが、闇夜に刀を振り回す如くで当然捕まりません。自分で自分を叩く事でさらに目が覚めてくると、足や腕がかゆく感じてきました。掻くとさらに痒くなってきます。眠いし面倒だけど、痒いのもつらいので、起き上がって痒い部分にムヒを付けて再度寝ようと努力しましたが、私の血を吸った蚊はまだ健在かと思うと、なかなか寝つかれず、ずるずると夜明けになってしまいました。

その日早速殺虫剤を買うべく、まず殺虫剤のポル語(Inseticida)を調べて、薬局に向かいました。Inseticidaと書いた紙を見せると、何やら言いながら案内してくれましたが、どうも部屋に撒く殺虫剤というのは無く、虫除けスプレーしかない、と言っているようです。蚊を退治することにはならないけど、蚊に襲われないならまあ目的達成だし、虫除けスプレーならゴルフ場などほかのところでも使えるし、と一つ購入。もう一軒近くにある別の薬局でも聞いてつかみましたが、やはり虫除けスプレーはあっても殺虫剤はありませんでしたので、ブラジルでは殺虫剤を使う習慣が無いのかもとあきらめ。 しかし、この虫除けスプレーを毎日寝る前に手足、首廻りなどにスプレーするというのは結構面倒です。匂いも結構きついし。

*虫除けスプレー

ところが、その後数日経ってたまたま前任者Mr. M氏が会社に置いていってくれたアースの蚊取りスプレーを発見しました。会社に置いてあったのですが、会社では使わないだろうと家に持ち帰ったのだと思います。”やはり、この国には殺虫剤は無いので、M氏も日本から持ち込んでいたんだ”などと再度納得し、残りの量を気にしながら使ってみると、虫除けスプレー無しでもその夜は実に快適に眠れたのでした。       でもこのアースの”おすだけノーマット”も、蚊取り線香と同じように蚊を麻痺させるだけで、殺虫効果は無いようです。それでも1回チュッと押すだけで蚊に邪魔されない安眠が得られるなら十分といえば十分。でもこの容器42㏄しか容量がなく、残りでこの夏持つだろうか?

*M氏が置いて行ってくれたアースの蚊取りスプレー。200回分とありますが、残りは半分以下か。それでも100日分?

さらに数日経った今日、Made In Japan(スーパー)で食材を購入しているときふと、「この国では殺虫剤というのは使わないんですかねー?」と世間話のように聞いてみると、「いや、あるでしょう。使ったことはないけど。その辺のスーパーに売っているはずですよ」                                 「えっ!?スーパーに売ってるもんなんですか?私は薬局を2件も訪ねたけどなかったですよ」                                  「ちょっと待ってね、今調べてみるから」 とお嬢さんの方(このMade In Japanは母娘で店を切り盛りしている)がスマホで調べてくれ、商品名をメモしてくれました。「SBPとかRaidという商品ですぐそこのExpress(スーパー)にあるとおもいますよ」「そうですか、ありがとうございます」                    「だけど、なんでお宅は使ったことがないんですか?」              「網戸があるから蚊は入って来ないんんですよ」「なるほど」 確かに私の部屋には網戸はありません。                               早速3件ほど先のExpressに行ってみると、すぐに見つかりました。体の健康を考えたら、(吸い込む事のない)虫除けスプレーの方がいいのでしょうが、これで蚊を撲滅できると思うとようやく枕を高くして寝る事ができそうです。

*殺虫剤。薬局で売ってないのはなにか理由があるんだろうか。あまりに一般的なものなのでスーパーで売っているのかも知れません。こんなもの買うにも一苦労です。

               

圧力なべ大活躍

一度はお蔵入りした圧力なべですが、実は活躍の場は多く、いまでは欠かせない調理器具の一つになっています。牛テールや牛タンのシチューは紹介いたしましたが、同じようにスペアリブなどに使えば、骨を手で掴んでかぶりつかなくとも、お箸でつまむだけで骨から肉がほろほろとほぐれる柔らかい骨付き肉が楽しめます。豚の角煮なども、とろけるような仕上がりに。                           牛タンもそのまま塩焼きで食べてもいいですが、茹で豚のように圧力なべで茹でて食べると、柔らかくなって、また程よく脂分も取れてとても食べやすくなります。    そこに定番の塩ネギを添えたり、焼肉のたれを付けて食べたり。          魚より肉を主体とするブラジルでも圧力なべは必須のアイテムのようで、スーパーにもフェイラ(市場)にもたくさん売られています。今考えるとわざわざ日本で買ってくる必要はなかったかも知れません。

*フェイラで売っている圧力なべ。値段は普通サイズで90レアル(2,000円弱)ですから、日本より安いです。

先日のあんこ(あずき)製作には圧力なべは使いませんでしたが、仮に使えばずっと短時間でできたでしょう。                            今度は五目豆に挑戦してみました。このメニューは圧力なべの中に入っていたレシピの一つです。レシピの写真を見ると、和食の代表各でいかにも健康的です。ブラジルでも豆はとてもポピュラーで、たとえばブラジルを代表する料理の一つ「フェイジョアーダ」は豆と肉を煮たものです(豆はあずきや大豆ではない)。豆類は種類も多く、大豆も何なく手に入ります。                            大豆の五目煮はもう挑戦というほど大袈裟なことではなくて、一度レシピを読めばおおよその手順が想像できて、書いてあることの軽重(重要なポイントとそうでもなさそうなこと)も分かるような気がします。

*五目煮豆。おかずにもおつまみにもとても便利。

そこで、一回目はガッカリした結果になってしまった、本来の目的であった圧力釜でのご飯、使い方に問題があったかも?と考えなおし、付属のレシピ通りに再度ためしてみました。普通の炊飯器で炊くのと違う点は、                  1.30分ほど前に米を洗って水気を切る。                   2.米と水の量は同量。(炊飯器の場合は目盛りがあるので、同量かどうかわからない)                                     お米はウルグアイ産の秋田こまち。ちなみにウルグアイはブラジル南側の小さな国ですが、米や牛肉、ワインなど農産物には高い評価があります。            水もゴルフ場から持ち帰った地下水を使いました。ここの地下水は軟水で、これでご飯を炊くとおいしく炊けると言われています。                   結果は・・・残念、前とほとんど変わらず。おこげが出来て、少し香ばしいご飯にはなりましたが、電気炊飯器と比べて、特に優位性は見当たらず。最新型でもないけど、電気炊飯器の性能を褒めるべきなのだろうか。

*写真では味は表現できませんが、せっかく撮ったので。おこげは別として、やはり若干灰色っぽくなったようにも感じます。圧力なべで炊くとそうなりやすいと書いてありましたが、金属が溶け出したようであまり気持ちのいいものではありません。

         

8か月でこれかよ!?

アパートの隣で新しいマンションの建設が始まって騒音が気になる、という話を4月にアップしました。                               騒音の主な原因は「ブレーカー」という、あの”ダッダッダッダッ、ガッガッガッガッ”とマシンガンのように大きな音を立てて、先の尖った鋼鉄のノミのようなものでコンクリートなどを粉砕する機械です。それと地中深く杭を打ち付けるために、鉄の塊を数メートル上から落としてハンマーの役割をする、なんという名前かは知りませんが、爆発音とともに数秒ごとに”カーン、カーン”と大きな金属音を発生させるものです。隣ですので、振動も結構ありました。                       さすがに12月になった今ではそれらの音は無くなって、トラックの移動する音とか生コンを動かすためのエンジン音ぐらいで、騒音はそれほど気にならないほどになっていまが。                                     ”さて、どのくらいできたか?”とふと窓からのぞいてみると、なんと8か月前に見た様子とほとんど変わっていません。”8か月何やってたんだ!?”  

*工事が始まった4月の写真。
*ほぼ同じアングルでの現在の様子。一見ほとんど進んでいないように見えませんか?基礎工事と地下の建設をやっていたんでしょうが。

またインドを引き合いに出して恐縮ですが、これじゃインドと同じじゃん!インドの場合は、なるべく仕事が続けられるように(失業しないために)ゆっくりゆっくりやるんだ、とどなたかが解説してくれましたが、ブラジルでも同じ?           そんなことは無いだろうとおもうのですが、会社の同僚にこの状況を話すと、   「それは、コロナの影響でマンションが売れていないからじゃないですか?売れなければ当然急ぐ必要もないし、資金も続きませんし」そうなんだろうか。        工事を始めたころにはもうコロナ問題は結構深刻になってきていたけど、コロナ前に販売は終わっていたと思います。よって、コロナの影響で売れていない、ということはなさそうな気がします。単に仕事が遅いとしか思えません。私としては騒音さえ無くなってくれれば、工事が長引こうがどうでもいいのですが、時間などあって無いようなブラジルですから、こんなペースは普通なのかも知れません。

タトゥー(入れ墨)

ブラジルではタトゥー(入れ墨)はごく一般的で、大きい小さいの違いはあっても、若い女性の半分以上は入れているんではないかと言うくらいに普通のことです。男にもかなり一般的ですが、女性の方が多いように感じます。多くは簡単な模様や字なのですが、中には怪しい日本語(漢字)だったり、カラーの入れ墨をしている人もたまに見かけます。化粧の一種と思えば、頭では理解できるものの、私は純日本人のせいか決してそのようには感じられません。おしゃれどころか、若くてきれいな肌を、お金をかけてまで汚さなくとも、なんて思ってしまいます。                  あれは消そうと思えば消せるものだろうか?だったらいいけど、それではタトゥーとは言えないかも。会社の女性社員も入れているので、今度会ったら聞いてみよう。   化粧や歯並びを矯正するのは良いけど、美容整形は抵抗がある。ましてや入れ墨を入れるなどはまっとうな日本人のやることではない。この辺の感覚は、ほとんどの日本人は似た感情を持っているのではないでしょうか? でもこの問題ありなしの境界線はどの辺にあるのだろうか。

たまたまランチに入ったLiberudadeの韓国レストランのウェイトトレスが、派手に入れ墨をしていたので、さも感心したかの如く、                 「見事な入れ墨ですね。写真とってもいいですか?」と聞いたところ、快くOKしてくれました。 

*このウェイターはブラジル人にしては珍しくスリムな体系。ただ若いだけか。しかし、入れ墨は決してきれいともおしゃれとも感じません。
*頼みもしないのに、腰の入れ墨も見せてくれました。カラーです。彼女曰く、背中以外はすべて入れているとか。でもなぜ背中には入れないのか?見えないから?日本のやくざだったら広い背中こそ見せ場だと思いますが。

さて話は変わりますが、ある神奈川県にある名門ゴルフクラブのメンバーになるには、多くのメンバーからの推薦を得るなどの条件をクリア―して、最後にそこの支配人と一緒にお風呂に入るという”最終試験”があるそうです。なぜかって?それは入れ墨がないことを確かめるためです。                           一般的にビジターでプレーするときにも、受付時には必ず「暴力団関係者ではない」という項目にチェックさせられます。関係者であっても、普通にプレーするなら締め出す必要もないような気もしますが、プレー後は普通お風呂に入りますので、確かに入れ墨の入った人と一緒に入るのは気持ちの良いものではありません。銭湯でも「入れ墨の入った人お断り」なんて注意書きがあったかも。

がっかりの一言・・・

書道の先生が、一時帰国の前に日本で買ってきてほしいものなどを実際に会って確かめたい、と言うので出発前の10月中旬近くの喫茶店で初めてお会いしました。その折、道具も持っていって、普段WhatsAppでは伝えられない筆の使い方なども教えていただきました。やはり対面でなければ伝わらないことはいっぱいあります。Web Meetingのように動画で出来たらかなり対面での授業に近い形になると思いますが、この先生はそこまでは考えていないようです。

11月ブラジルに帰国して、日本で買ってきたもの(日本でしか買えない教科書や特別な用紙など)やお土産などを渡すために、同じ喫茶店で再会いしました。ついでに指導を受けたり、月謝をまとめて支払ったりしたのですが、最後帰り際になって      「9月からのお月謝はいただいてますが、6月から9月の分はいただけませんか?」と、私にとっては耳を疑うような言葉が聞こえてきました。              一瞬たしかにかわいそうかな、という気もよぎりましたが、一旦合意していることを今更覆すというのはどうにも納得いきません。お金の問題ではありません。      ここは毅然と、                               「先生、私は当初からお支払いすると言ったではないですか。それでも先生は『WhatsAppではやったこともないしお金はいただけません』と先生自身で言ったのですよ。でもさすがにいつまでも無料というわけにもいかないから8月に料金を決めたときには、9月から適用するものとして先生も納得されたはずです」         ずるずるとゴールをずらす韓国政府のようなこと言わないでほしいと、かなりガッカリでした。先生の方からはそれから一言も発言なし。納得したんだろうか。してもらわないと困ります。

考えてみれば、結構首尾一貫しないことを口にする人ではありました。たとえば私が、「この筆、先が割れてしまって困るのですが、もう買い替えた方がいいですかね」 「いや、筆は10年以上も持ちますよ。買い替える必要なんてないですよ」     「そうですか」                                「でも、やはり新しいのは書きやすいってのはあるでしょうね」         「えっ!?じゃー、わたしゃどーすればいいんですか?」            「こっちで買うと高いですよ。みんな輸入になりますから3倍はします」などと、答えとも思えないような返事が返ってきて、”この人の血液型はAB型か” あるいは”芸術家特有の自分の矛盾を気にも留めないひとなのか”などと考えつつ、こーゆー人なんだと思うしかありませんでした。                          どのような関係であれ、お金のことで気まずくなるのはいやなものです。そして一旦このような発言を聞いてしまうと、仮に書家としてどんなに素晴らしい先生であったとしても、冷めて行く気持ちはどうしようもないのでした。

話題の映画3本

暇だからといって、2週間の待機期間中に見たわけではないですが、日本で話題の映画を2本、ブラジルに帰って1本見る機会がありました。               一つは話題の「鬼滅の刃・無限列車編」。日本では最速の興行収入を上げているということ、そして子供も大人も楽しめるという評判だったので行ってみました。ちなみにシニア料金が適用され1,800円のところ1,200円です。歳をとって良いこともあります。 このアニメ、全く読んだことがないのでWekkipediaで事前に”勉強”して行きました。本では21巻、テレビアニメでは26話まであり、劇場版の「無限列車編」はどの辺のストーリーを描いているのかは分かりませんでしたが、劇場版として独立して楽しめるのだろうと解釈し、でも実際に見てみるとほとんどわけのわからないストーリーでした。 事前にある程度”勉強”していたので、設定や背景は分かるものの、ストーリーは荒唐無稽と言わざるを得ません。子供だったら理解できるのだろうか?きっとストリー性にこだわってはダメなんだな、と思いつつもなんでこれが最速の興行収入なんだ?というのが正直なところです。でも絵はとてもきれいでした。               近年稀に見るアニメの傑作と言われる「ポケモン」も、荒唐無稽と言う意味では似たようなものですが、ポケモンが受ける理由は分かるような気がします。        息子にそんな感想を漏らすと、「本を読まないで見ても面白くないかも」とのことでした。

二本目は「罪の声」。今から35年以上も前のグリコ・森永事件を素材にしています。この事件は結局未解決事件となってしまうのですが、そこを塩田武士という作家が事実に基づいてミステリー小説として発表し、今年映画化されました。         こちらは面白かったです。きっと事実はこんなものかも知れない、そして真犯人はこんな人たちだろうと思わせるものがあります。おすすめです。

*罪の声の一場面。主役の2人。

三本目は「パラサイト/半地下の家族」。ご存じアカデミー賞の作品賞、監督賞などを取った韓国映画です。                             この映画は今年の2月の一時帰国の折に見たのですが、実に面白くもう一度見たいと思っていました。それは良くわからない部分もあったからなんですが、機内でもやっていないし、ブラジルでは仮に上映していても字幕はポルトガル語だし。。。      ところが今回の一時帰国から帰った数日後、WowWowで見る事ができました。TV Boxありがたし。実は2回見ても疑問の部分はすっきりしなかったのですが、とにかく傑作であると思います。 

*パラサイトの広告写真。疑問(分からなかった)部分は、前の家政婦の行方です。すみません、何のことか見た人しかわからないですね。

娘の彼氏に会う

約3週間の一時帰国も、過ぎてしまえばあっという間に終わり、ブラジルに帰国する日となりました。帰りも当然羽田からフランクフルト経由ですが、来る時と同じように半分はANA、半分はLH(Lufthansa)と思いきや、帰りは全部LHとのこと。羽田からフランクフルトまでは4人席に横になれたのは良かったですが、前半と後半の食事がほとんど一緒。すなわち前半も後半も選択肢の無いパスタメニュー(+簡単なサラダとパンとデザート)。私のような乗り継ぎの客を考慮してか、若干の違いはありましたが、ほとんど一緒。でもビール等の飲み物は自由だったので私にとっては問題ないですが。

今回の一時帰国では、日本でしか買えないものの購入や保険のこと、年金のことなどいろいろやることはあったのですが、その中でも娘の彼氏に会うというのも重要なイベントの一つでした。父親としては気が進まないけど、いつかは来る事。そんなことは出来れば避けたいけど、来ないのも困るといったところです。

その日はブラジルに帰る日の前日の夜。もっと前に設定したかったのですが、双方の都合によりギリギリで実現。これもお互い内心では気が進まないという心理がそうさせたのであろうか。待ち合わせ場所は、新宿の南口近くにある中華レストラン。     入口が見つからずキョロキョロしていると、娘(と彼氏)とバッタリ。と言っても待ち合わせていたのだから当然と言えば当然。                   「始めまして、XXです」                          「始めまして、○○の父親です」                        相手のプロフィールは事前にある程度聞いていたのですが、レストランに入ってから話のとっかかりとして改めて確認。                       「出身は岡山でしたか?」                          「はい、倉敷です」                             「行ったことはないけど、住みやすそうなところですね」            「はい、でも最近は観光地になってしまってちょっと落ち着きが無くなったような気がします」                                  「○○は彼の実家に行ったことあるって言ってたよな?」             「うん、一泊で」                               ま、こんな感じで始まったわけですが、一番聞きたかった将来の予定についてはまだ未定とのことで、親としてはもやもやっとしたものが残りましたが、そんな中でも一応親に会わせておこうという姿勢を評価するべきか。

実は、母親と兄(息子)には既に会っており、事前の”評価”を聞いていたのですが、一度会っただけですべてわかるものでもなし。会った限りでは、少なくとも変な人物では無さそうではあるけど、将来の設計、方向がはっきりしていないからと言って、26歳にもなった娘に今更良い、悪いと言ってもどうにかなるものでもなし。娘(と彼)を信じる以外に方法があろうか。父親というのは、誰が来ても反対するもの、という話もありますが、100%親の期待に応えられる人などいるはずもなく、「人間万事塞翁が馬」を座右の銘にしている私としては、運の良い出会いであることを祈るしかないのでした。

生協(スーパー)

前回も書きましたように、東京の自宅に帰っても家族はそれぞれ別な場所で仕事を持っているので、基本的にはブラジルに居る時と変わりません。今回はコロナ問題があったので、自宅が空いているのは、2週間ホテルで待機する必要もなく好都合でした。  自宅待機中であっても食品の買い物は欠かせません。家に一番近いスーパーは「生活協同組合」、いわゆる生協で、生協は共産党系の経営という話がありますが、近くて品数があることが最優先ですので、右翼の私でも気にしません。そこには「コンビニ弁当」ならぬ「生協弁当」もたくさんあり重宝しました。あれだけ種類があれば、仮に毎日利用したとしても、2週間は違うものが選べそうです。「カレーコーナー」なんかもあり、カレーだけを容器に詰めて買って帰れます。カレーはほとんどの人が作ったことがあると思いますが、脂っこくて鍋を洗い流すのが結構大変ですので、これだと後片づけはラクチンです。 

*どこのスーパーにもあるのかも知れませんが、この充実ぶりは見事です。しかも安い。奥には総菜と寿司コーナーがあります。

弁当コーナーの隣にはベーカリーもあり、こちらも重宝しました。殊に今回「塩パン」というのを発見し、少々感動しました。これはサンパウロにはありません。日本のパンというのは実に良くできていると思います。たとえそれが「ヤマザキパン」であっても。

*塩パン。レンジであっためて食べたら絶品です。それだけで何もいらないくらいです。

インスタント食品コーナーでは、カップ焼きそばの傑作と言われる「ペアングソース焼きそば」の超大盛を発見しました。確か一度生産中止になったと聞いた気がしますが、再開とともに超大盛もラインアップか。確かに従来の大きさでは食事としてはちょっと物足りないというか、もうちょっと食べたい、と思わせるものがありました。    早速試してみたのですが、さすがに2倍の量(たぶん)ともなると最後の方になると少々気持ち悪くなるぐらいに飽きてきて惰性で食べることに。でも完食しました。やはり傑作ではあります。

*ちょうど2倍の大きさと思われます。208円も安い!標準サイズでもブラジルでは見たことありません。

100円ショップ恐るべし

帰国して一週間が過ぎました。待機期間中に保健所から様子確認のための電話があるはずなんですが、これまで一回もありません。時々買い物には出ていますが、その間に架かってきた様子も無し。もちろん待っているわけではありませんが。PCR検査が陰性であっても、2週間の自宅待機の理由は、機内か空港で感染した可能性を否定しきれないので大事をとるということですが、ブラジルからと言ってもその可能性は極めて低いはずで、保健所もほとんど心配していないという事だと思います。前回書きましたように、乗ろうと思えば入国後そのまま電車やバスにも乗れるし、国も”黙認”と言ったところでしょう。

さて、2週間の待機期間中は何をしていればいいのか。ブラジルを出る前、一時帰国した経験者に聞いたところでは、その人はずっとホテルに居て、食事の時だけ出かけたり、出前をお願いしたりしていたそうです。それ以外はホテルでTVを見たり本でも読んでいたんだろうか。                              私の場合は、たまたま家が空いていたので、勝手知ったる自分の家、料理もできるし、自転車もあって季節も良いので、近くをサイクリングするなんてこともできます。  しかしブラジルとは12時間の時差があるので、昼間はたっぷり時間があります。   そんな時間を有効利用するためにも、書の練習はうってつけです。紙と墨(墨汁)は現地(日本で)買うつもりで、筆だけを持ってきました。              家から歩いて2-3分のところに生協(スーパー)があり、そこの2階にダイソーがあります。SPでもダイソーにお世話になっていますが、さすがに本場、品数が比較になりません。売り場面積は10倍ぐらいあるでしょうか。これなら書道用半紙や墨(墨汁)も売っているかもと、店員に「書道用半紙ってありますか?」と聞いてみると、「はい、ございます」といってわざわざ”書道コーナー”まで案内してくれました。さすがは日本、対応が丁寧です。その”書道コーナー”には、半紙はもちろん、筆、硯、墨、文鎮、半紙用下敷き、墨汁など、関連商品がすべてあるではないですか。しかもどれも100円という信じられない値段です。半紙は100枚入って100円。SPでは25枚で500円ぐらいしますから、その差なんと20倍!日本は安い!(というかSPが高すぎ)   

*ダイソーの書道コーナー。半紙と墨汁のみならず、文鎮、下敷き、硯、そして筆までも買ってみました。それでもわずか660円!筆の品質はイマイチでしたが、その他は全く問題ないです。 

また前日にはちょっとしたかすり傷を負ったので、近くのマツキヨ(マツモトキヨシ)で500円ほどでマキロンを買ったのですが、ひょっとして100円ショップにもあるのかもと”衛生用品コーナー”を覗いてみると、ちゃんとあるではないですか、オキシドールが。400円損した!なんてね。 

前回100円の針と糸セットの充実ぶりに感心しましたが(SPでは200円ぐらい)、今回は日本の100円ショップの充実さにびっくりです。食品なんかも売っており、普段の生活用品はほとんどが100円ショップで済んでしまうでしょう。しかも普段の生活に関係ない書道用品でもここまで取り揃えているとは恐れ入りました。

          

一時帰国

コロナ禍でいろいろ制約があるものの、思い切って日本に一時帰国することにしました。2月以来およそ8が月ぶりです。                       日本に帰っても2週間の待機期間があるなら帰る意味がほとんどない、とこれまで一時帰国することはあきらめていたのですが、日本でやらなければいけないこともそれなりに溜まってきたので、今回は約3週間強のかなりゆっくりとした一時帰国です。

ブラジルからは北米経由でも欧州経由でもほぼ同じ時間がかかりますが、現在米国は乗り継ぎのみでもブラジルからの入国を認めておりませんので、今回は欧州経由。   テニス仲間のLさんが経営しているJBトラベルという旅行会社にLH(Lufthansa)の格安の航空券を取ってもらいました。SPからフランクフルトまではLH、フランクフルトから羽田まではANAです。値段はなんと4441.19レアル(約86,000円)と格安。ここに税金が16,000円ぐらいかかりますが、合計でも10万円ちょっと。インドからの運賃と変わりません。航空会社には気の毒ですが、コロナの影響で良いこともあります。   空港も空いていました。待ち時間ゼロです。SPからフランクフルトまでは結構混んでいたものの、フランクフルトから羽田まではほぼ3席に一人という具合で、ほぼ全員が横になれるという状態。特に私は腰が悪いので、横になれるかどうかで疲れ方が全然違ってきます。なにせ片道24時間以上のフライトですから。

*SPの空港内。職員が暇そうでかわいそうなくらいでした。
*ANAの機内。機種は787だと思いますが、ほぼだれもが3席占領できる空き具合。
*LHの機内食。選択肢は無く一種のみ。パスタだとイスラム教徒でも、ヒンズー教徒でもだれでもOK。 作る方も簡単だろうな。パンが強烈に冷えてて食べる気せず。
*ANAの機内食。2種類の選択があったと思いますが、これはビーフカレー。おつまみやサラダ、いなりずし、卵焼きなども付いて、LHよりはるかに良いです。

さて、羽田でのPCR検査。機内で必要な書類(4枚ほど)が配られ、まずはそれらの書類をチェックの後、唾液を1‐2㏄ほど採取して提出。最近は大分短時間で結果が出るようになったらしく、待ち時間は1時間ほどでした。もちろん陰性。係官から、「公共交通機関を使わないで帰れますか?」という質問がされますが、「はい」と言えば、なんの確認もなし。私は息子に迎えに来てもらいましたが、あれではそのまま電車に乗っても全然わかりません。そもそも陰性の結果が出ているんだし、機内と空港で感染した可能性がゼロでは無いというだけで、ブラジル帰りとは言え、一般の日本人より安全と言えるのではないでしょうか。

*機内で配られた説明書。この4つのステップ全部で1時間ほどで済みました。

息子の運転する車に乗るのは初めてです。一緒に住んでいたのは高校生のころまでで、その後年に1-2度は会っていましたが、子供にお世話になる、ということはこれまでありません。うれしいことではありますが、もう親は必要とされていないと思うとちょっと寂しいような気もします。                          途中お昼の時間になり、「何食べたい?」というので「なんでもいいけど、ラーメンどう?」と言うと、息子はGoogle検索して近くのうなぎ屋を見つけだして      「うなぎは?」と言うので、                         「昔うなぎ食べなかったんじゃなかったっけ?」と言うと、           「社会人になって好きになった」そうな。うなぎも日本で最も食べたいメニューの一つだったので、もちろんオッケーですが、これって計画的誘導だったのかも。 

     

*特上、松、梅、竹の4種のうちの松。3900円也。特上はうなぎが3枚になります。でもなぜ松、梅、竹が上、中、下を意味するのだろうか?と調べてみると、特に意味はなく、どれも”同格”で、松、竹、梅の場合やその逆もありだそうです。