アパートは15階ですので、蚊などの虫が上がってくることはまず無いと考え、昼間は窓を開けて空気を入れ替えるようにしています。 しかし、夏になったせいかある日の夜半、眠りが浅くなったころに”ブーーン”と蚊が飛ぶ音で目が覚めました。思わず耳のあたりを手でたたいて蚊を捕えようとしましたが、闇夜に刀を振り回す如くで当然捕まりません。自分で自分を叩く事でさらに目が覚めてくると、足や腕がかゆく感じてきました。掻くとさらに痒くなってきます。眠いし面倒だけど、痒いのもつらいので、起き上がって痒い部分にムヒを付けて再度寝ようと努力しましたが、私の血を吸った蚊はまだ健在かと思うと、なかなか寝つかれず、ずるずると夜明けになってしまいました。
その日早速殺虫剤を買うべく、まず殺虫剤のポル語(Inseticida)を調べて、薬局に向かいました。Inseticidaと書いた紙を見せると、何やら言いながら案内してくれましたが、どうも部屋に撒く殺虫剤というのは無く、虫除けスプレーしかない、と言っているようです。蚊を退治することにはならないけど、蚊に襲われないならまあ目的達成だし、虫除けスプレーならゴルフ場などほかのところでも使えるし、と一つ購入。もう一軒近くにある別の薬局でも聞いてつかみましたが、やはり虫除けスプレーはあっても殺虫剤はありませんでしたので、ブラジルでは殺虫剤を使う習慣が無いのかもとあきらめ。 しかし、この虫除けスプレーを毎日寝る前に手足、首廻りなどにスプレーするというのは結構面倒です。匂いも結構きついし。
ところが、その後数日経ってたまたま前任者Mr. M氏が会社に置いていってくれたアースの蚊取りスプレーを発見しました。会社に置いてあったのですが、会社では使わないだろうと家に持ち帰ったのだと思います。”やはり、この国には殺虫剤は無いので、M氏も日本から持ち込んでいたんだ”などと再度納得し、残りの量を気にしながら使ってみると、虫除けスプレー無しでもその夜は実に快適に眠れたのでした。 でもこのアースの”おすだけノーマット”も、蚊取り線香と同じように蚊を麻痺させるだけで、殺虫効果は無いようです。それでも1回チュッと押すだけで蚊に邪魔されない安眠が得られるなら十分といえば十分。でもこの容器42㏄しか容量がなく、残りでこの夏持つだろうか?
さらに数日経った今日、Made In Japan(スーパー)で食材を購入しているときふと、「この国では殺虫剤というのは使わないんですかねー?」と世間話のように聞いてみると、「いや、あるでしょう。使ったことはないけど。その辺のスーパーに売っているはずですよ」 「えっ!?スーパーに売ってるもんなんですか?私は薬局を2件も訪ねたけどなかったですよ」 「ちょっと待ってね、今調べてみるから」 とお嬢さんの方(このMade In Japanは母娘で店を切り盛りしている)がスマホで調べてくれ、商品名をメモしてくれました。「SBPとかRaidという商品ですぐそこのExpress(スーパー)にあるとおもいますよ」「そうですか、ありがとうございます」 「だけど、なんでお宅は使ったことがないんですか?」 「網戸があるから蚊は入って来ないんんですよ」「なるほど」 確かに私の部屋には網戸はありません。 早速3件ほど先のExpressに行ってみると、すぐに見つかりました。体の健康を考えたら、(吸い込む事のない)虫除けスプレーの方がいいのでしょうが、これで蚊を撲滅できると思うとようやく枕を高くして寝る事ができそうです。